ギランバレー症候群の疑いで、人生初の入院日当日。
昨日まで髄液検査の影響でひどい頭痛に悩まされながらも福岡でコンサートともつ鍋を楽しんだ。
少しは和らいだものの今日も頭痛は続いている。
久しぶりのコンサート遠征に浮かれていた私は入院案内のパンフレットをほとんど見ることなく入院日を迎えた。
パジャマは借りことにするし、準備なんてパパっとできるだろうと高を括っていた。
入院の説明を受けるとき、絶対に医療費が高額になるので、入院日までに市役所で限度額適用認定証をもらっておくといいですよ、と言われていた。
なので今日は12時病院へ行く前にまずは市役所へ行かなければならない。
さて、このくらいの時間で済むだろうという時間を逆算しながら入院の準備を始めると、あらあらこれがまた意外と時間がかかる。
いい歳してバックパッカーな旅に慣れ、少ない荷物で宿泊できるようになってはいたものの、入院という人生初の未知なものに対する備えはどの程度にすればよいのか悩む。
家は近いし何か必要なものが出てきたらその都度持ってきてもらえるだろうとは思うが、自分の部屋に入られあれこれと開けられるのがあまり好きではない。
入院予定は1週間。
旅行であれば小分けにするが、車で快適に移動するすぐそこの病院での滞在のためにわざわざ小分けにするのもなんだかなぁと思いボトルごと持っていくことにする。
スキンケア、タオル、下着、もこもこ靴下、ネックウォーマー、アロマ、本、保湿クリーム、リップクリーム、旅行で余っていたシャンプーボディソープ、歯ブラシ、
流し見したパンフレットによると、箱ティッシュ、サンダルではない履きやすい靴、
うーん、ほかに何が必要で、何を持っていけば不便なく過ごせるか分からない。
いかにコンパクトに荷物をまとめるかという癖がついていた私は、だんだんめんどくさくなり、そもそもそんなこと考えなくてもいいんじゃないかとおざなりに荷物をまとめ、そんなこんなで時間が過ぎ、ばたばたと家を出るて市役所へ向かう。
限度額適用認定証は病院で聞いていた通り、すぐに発行してもらうことができた。
これで準備は万端。
いざ病院へ向かう。
病院へ着くとまずは入退院受付で手続き。
入院するであろう人や家族の持ち物を初めて観察していたが、いかに荷物をコンパクトにまとめようかと考えていた私って一体全体何だったのだろうと思うほど、大きなスーツケースを持つ人や、カートにいくつも大きなバッグを乗せた人や、段ボール箱で運び込んでいる人たちがいた。
ドラマで退院するときに小旅行的なボストンバッグを持っているのをよく見る気がするが、あれってドラマなんだなと初めて知った。
受付のあとに、病院内にある小さなレストランで昼食をとる。
受付をしたあとに病院内などで昼食を済ませるというのも、入院説明のときに聞いていた流れだ。
昼食後入退院受付に戻る。
自分の受付番号が呼ばれる。
部屋は差額代1080円の大部屋内でつい立でしきられ冷蔵庫テレビ付きの部屋をお願いしていたが、そこは空いていないらしく、差額代ゼロの大部屋ということになった。
窓側を希望していたが、それは病棟へ上がってみないと分かりませんと言われた。
病院内の施設や食事などの説明を聞く。
では病棟へ上がりましょう、と看護助手さんっぽい人に案内されながらエレベーターで8階へ向かう。
入院するフロアは病棟最上階の8階だった。
ナースステーションで病棟の看護師さんに引き継がれ部屋へ案内される。
部屋へ案内されてびっくり。
広い。
しかも窓からは我が県のシンボルを臨む抜群の景色。
想像していたゴチャっとベッドが並ぶ大部屋ではなく、かなりゆとりを持ったスペースの作りの4人部屋。
4台中3台が空いていた。
私はドア側のベッドを案内された。
看護師さんが少し離れたときに、母に「残念、窓側じゃなかった」と小声で耳打ち。
すると看護師さんが戻ってきたときに母が「あのう、もし空いていたら窓側にできませんか」とたずねる。
ひー、図々しい。でもナイス!さすがオバサンは違う。
「こっちも今日から入院されるんですけど、ちょっと確認してきますね」と確認しに行ってくれ、「大丈夫です。早く来たということで」と窓側のベッドが入院中の私のベッドとなった。
窓側を好むのは完全に私の個人的な好みで、大部屋で必ず窓側がおすすめというわけでもないと思う。
私には外が見えるほうが解放感があって気分も良いし、窓がない部屋だと閉塞感を感じてしまう。
お日様を浴びるのが好きだし、日焼けも気にしない。
バックパッカーでドミトリーにも平気で泊まれてしまう私は大部屋でも全く気にならない。
想像以上に快適そうな部屋で、この病院にしてよかったなと思う。
その後看護師さんから今回の入院の内容など書類を使いながら説明を受けた。
病衣を受け取り、後ほど先生も来ますということだったので、部屋で手持無沙汰に先生を待つ。
その間に母が飲み物やコップを買いに行ってくれた。
コップを持ってくるなんて全く頭になかったが、入院パンフレットをよく見ると必要なものに湯呑又はマグカップときちんと書いてあった。
こういうものはきちんと目を通さないとだめだと人生でもう何度も思ってきたことを再実感した。
先生が来て、血漿交換ではなく免疫グロブリンの点滴治療になること、点滴の用意が遅れていて、7日木曜日から点滴を開始すると説明された。
明日は全く何もないということになる。
えー、そんなの居心地悪い~と思いながらも、入院環境が想像以上に快適そうだったので、まぁ1日くらい居心地悪いながらも入院患者の気分でのんびり過ごそうっと。そんなこんなな入院初日だった。