弱ってしまうと、何かにすがってしまいたくなるのが人間。
私は特にその傾向が強いのではないかと自己分析している。
風水、占い、カラーセラピー、パワーストーン・・・。
現状をどうにかできないかと、何かとあれこれ調べて試してみたくなる。
もともと「色」にとても興味があって、パーソナルカラー診断やカラセラピーなど、色に関することは大好きだ。
10年美容部員をしていたなかで8年近くメイクブランドで働いていたので、特に色に興味を持つようになったと思う。
カラーセラピーのようなことに興味を持ったのは、まだ東京に住んでいた頃にふと立ち寄った本屋さんで目に留まった本を買ったことがきっかけだった。
その本はもうどこにいってしまったのか分からないんだけど、強烈に記憶に残っているのが、
「黒ずくめの服装の時は気持ちが病んでいる」的な内容だ。
私はそのころ、東京の一人暮らしで疲弊していた。
同じく上京してきた地元の友達とは休みが合わずにすれ違うし、学生時代からの親友は雪国へお嫁に行ってしまうし、少ないお給料で節約ばかりの生活に気持ちが沼の底へ沈んでしまっているようだった。
そんなとき、黒の洋服ばかり着ていて、いつも気付けば全身真っ黒だったのだ。
本を読んで、あぁやっぱり病んでいるんだな・・・と気付くことができた。
その後すぐに地元に戻って実家でぬくぬくと生活していながらも、黒い服のことはずっと頭にあった。
すごく気にしていたわけではないが、全身真っ黒な服装にはあまりならなかった。
多発性筋炎と確定されるちょうど1年前に、ようやくプロによるパーソナルカラー診断を受けた。
パーソナルカラーじたいを知ったのは15年以上前で、まだその時はパーソナルカラーはほとんど知られていなかったと思う。
ようやくこのタイミングだったのは、年齢的にきちんとプロに自分に似合う色を見てもらいたいと思ったからだ。
まわりから散々、たぶんウィンターだよと言われていて、
自分としてもウィンターっぽいよな~、でもウィンターじゃなくて、オータムだったりとかしないかな。オータムの雰囲気にイメチェンしていくのも良さそうだな。なんて思っていたが、とても分かりやすく迷うことなくウィンターだった。
やっぱりウィンターかぁ。ウィンターの色は大好きだし、しっくりくる。
でもキャメルとかワインブラウンのリッチな色を着こなすっていうのも素敵だなぁと思っていたので、その展開を少し期待していた身としては肩透かしだった。
プロによってウィンターと確定してしまうと、「全身黒ずくめは精神的によくない状態」と分かっていても、つい黒い服を手に取ってしまう。
何色かあるなかで迷うと黒。
自分に似合う色だからと黒い服に目が行ってしまう。
よくないよな~、でも黒が似合う色だし、いいよね。
そして、添乗員の仕事に身も心も疲れていくのと比例するように、全身真っ黒のコーディネートになっていったのだった・・。
1回目の入院のとき、最近ずっと黒い服ばっかり着てたし、精神的に疲れていたのが体にも出たのかもしれないと頭をよぎっていた。
そして2回目の入院のときに、カラーセラピーの本を読みなおそうと家にある本を数冊病院へ持ち込んだ。
もう何年も読んでなかった本を読み返すと、忘れていたことばかりでワクワクする。
そして『運命の色』の、
黒い着衣は、砂漠地帯の強い太陽光を遮るためにも身につけられますが、肉体や精神面での健康回復が必要な医療現場では、有益な紫外線や光線を遮ってしまうことから、けっして用いられることがありません。
『運命の色』 泉智子著(だいわ文庫、2007)
という内容を読み、ふと病院内を見ると本当に全く黒がないことに気付いた。
どこを見ても全く黒がない!
さらに読み進めていくと、
黒は多用しすぎると精神的にも肉体的にも不活発になるので注意が必要
皮膚にとって有害な太陽光線を吸収してしまう黒い下着は、病気のときや肉体のタルミを気にしていたり老化を予防したいと願う場合は、あまり身につけない方がよい色だと知っておくとよいでしょう
『運命の色』泉智子著(だいわ文庫、2007)
ふむふむ。
さらに同じ著者の本に、
熟していない緑のトマトに、白、赤、黒の布地をかぶせて、日光の当たるところにおいたところ、、白い布地を被せたトマトは完熟し、赤は黒い斑点が出てきて発酵寸前の状態、そして黒は緑色のトマトのまましぼんでしまうという結果です。
白い布は生命体が必要とする光のすべての波長をトマトに伝導して、熟させたわけです。
逆に黒い布はすべての光の波長を吸い取ってしまったので、トマトをシワシワにしたのです。
『色の暗号』泉智子著(だいわ文庫、2006)
ぞぞぞぞぞ!!!!!!
これは、『色が教えてくれること 人生の9割は「色」で解決できる』七江亜紀著(だいわ出版、2015)にも書かれていて、色彩研究家の野村順一氏による色彩効果の有名な実験らしい。
人間とトマトは違うけど、健全な人間の細胞にも光の波長(太陽光)は必要だとすれば、健康を願ってやまない自分には恐ろしい色!
他にも、
『色セラピー』 高坂美紀著 (成美堂出版、2008)、
『幸せを呼ぶ「色づかい」レッスン』高坂美紀著(成美堂出版、2004)
にもこぞって、黒は健康によくないと書かれている。
光の波長と体への影響をじっくり読むと、これはもう今後一切黒い服は着ないと心に誓わざるをえない。
筋肉の細胞が炎症している病気のときに、細胞が衰えてしまう色を着てはダメだ・・・。
退院後、黒い服のほとんどを断捨離した。
驚くことに持っている服の半分ほどが黒い服だった。
明るい色の服を着るようになると、確かに気持ちが上がる。
フューシャピンクも全く抵抗なく着れちゃうし、ピンクは細胞に良い色だと知って、ピンクの服が増えていく。
退院後の断捨離以来、黒い服を着ていないので現状しか分からないけど、黒い服を着続けていたらもっと疲れていたかもしれない。
退院後少し落ち着いたころに、パーソナルカラー診断をしてくれた先生の講座を受けに行った。
病気で入院してしまった話、健康になりたいから黒い服をやめた話をして、
ウィンターだと確定してから、黒が一番いいだろうと思って黒ばっかり着てたんですよ。
黒が似合うのはウィンターの特権だし、それに世の中って黒い服が多いですよね。と言うと、
「それは黒に惹かれる心理状態だったということよね。」
!!
「ウィンターには黒以外にも似合う色はたくさんあるし、お店にもたくさんの色の服があるのに、黒を選ぶというのは、黒に惹かれてしまうということ」
なるほど、そうか。
パーソナルカラー的に黒が似合う色だから黒を選んでいたつもりだったけど、その裏には黒に惹かれる心理があったのだと気付かされた。
病気になるなんて思ってなかったけど、きっと心も体も強いストレスや不安を感じていたんだろうな・・・と思い返すととても納得してしまった。
「色を変える」ときは、自分の思考回路が変わるとき。
『色が教えてくれること 人生の9割は「色」で解決できる』七江亜紀著(だいわ出版、2015)
私はもう黒い服を着ない!!
もちろん黒には黒の良い効果もあるので、黒を否定するわけではない。
ただ私のセルフケアの1つとして、カラーセラピーを取り入れるということである。
細胞を活性するからとピンクの服ばかり着て、パー子さんにならないように気をつけなければならない。